ダイバーシティの流れ
2014年4月21日
平素はお世話になります。
今年(2014年)の4月に年金制度で大きな改正がありました。
遺族基礎年金の男女格差が是正されたのです。
どういうことかと言いますと・・
改正前の制度では遺族基礎年金の受給権者を、「子のある妻」又は「子」と定められていました。
これはつまり、夫が亡くなり残された妻や子の生活を保証するという趣旨の制度だったのです。
しかしながら、働き方や価値観が多様化した現在、従前の制度では、妻が働き、夫が「専業主夫」として家事や子育てをしている家庭の場合、働き手の妻が亡くなったとしても、残された夫には遺族基礎年金が支給されないという問題がありました。
この男女格差を解消すべく、4月1日以降は「子のある夫」にも遺族基礎年金が支給されるよう制度が改正されたのです!
今回の事例を見ると、法律や社会保障改正にはある傾向が感じられます。
それは、女性はもちろん男性に対する差別も許されないという流れです。
例えば「男女雇用機会均等法」は、当初女性に対する賃金や待遇などの差別をなくす為の法律でした。
しかし数度の改正を重ねて、現在では男性に対する差別も禁止されています。
またセクシャルハラスメントも当初は、男性から女性に対する「性的いやがらせ」が対象でしたが、こちらも現在では、男性・女性から男性に対するものも、その対象とされています。
まだまだ女性に対する格差や差別的待遇は存在し、それらを無くしてゆくという大きな流れがある一方で、男性と女性を等しく扱ってゆくという「男女平等社会の実現」という流れもまたあるように思われます。
我々NPOは、今後もダイバーシティやワークライフバランスについての提言を行っていく中で、このような「流れ」も大切にしていきたいと思います。
会員
社会保険労務士 大石滋郎